優秀賞|青木伸介

優秀賞/ Excellent Award
受賞者 青木伸介
受賞作品 湛える

作品情報

湛える

技法 乾漆

広島県唯一の手すき和紙に着目し素材とした。現在の大竹和紙は、保存会として存続するのみとなっているが、原料となる楮から栽培し、小規模ながらボランティアや地域の協力により製作を行なっている。

地域の伝統的な物づくりが、想いを共有した様々な人々を繋ぐコミュニティーとして新たな伝統の形を作っている。

今回の作品に使用している和紙は、その製造過程で不均一な厚みとなったものを利用した。
その不揃いな和紙の厚みの変化が漆によって接着し塗り込むことにより、和紙独特の表情を作り出している。作品のタイトル「湛える」には、水を汲み、湛え、扱う人の営みが反映されており、手を合わせて水(資源)を汲む、その行為に「伝統と未来」の形を重ね制作している。

 

プロフィール

青木伸介

東京藝術大学美術学部工芸科漆芸専攻卒業後、
東京藝術大学大学院美術研究科工芸専攻漆芸分野を修了、
国立大学法人東京藝術大学美術学部非常勤講師、
国立大学法人筑波大学人間総合科学研究科非常勤講師を務め、現在は、公立大学法人広島市立大学芸術学部専任講師として後進の指導にあたる一方、精力的に制作活動に励み、国内外の展覧会に出品、入選を果たしている。

https://www.shinsukeaoki.com/

◆各受賞者へのインタビュー記事はこちらから
https://byemotion.jp/collections/f00005