2026 優秀賞|張 煜祺

賞 優秀賞/Excellent Award
受賞者 張 煜祺(ちょう ゆうき)
工芸・美術部門/漆 千華(せんか)

作品情報

千華(せんか)

サイズ… W 200 D 200 H 200(mm)
素材… 木 螺鈿 漆 金粉 露玉

前作における「角」の万華鏡の視覚的探求を経て、今回の作品では、より多くの角の相互関係を探求している。
立方体は非常に整然とした構造であり、異なる角に同じ構造の文様を使用することで、無限の奥行きを持つ空間効果を表現できる。
逆に内部から観察すると、無限に広がっていく感覚が生まれる。
⽊地螺鈿箱「初め」は、漆の反射と螺鈿の光の効果を組み合わせて、万華鏡が空間に広がる無限性を表現することを目指している。
GP6奨励賞

  • GP6奨励賞
  • GP6奨励賞
  • GP6優秀賞
  • GP6優秀賞

審査委員の講評

三田村有純(日本藝術院会員 東京藝術大学 名誉教授 江戸蒔絵赤塚派十代継承)

20センチ角の立方体、私たちが見ることができるのは一面か二面か三面である。
その角が合わさった所から千変万化の模様が発せられる。
万華鏡の中をのぞいているかのように黒漆の磨かれた面に、螺鈿と金の蒔絵粉が輝いている。
底面を見ると同じ装飾があり、単なる箱ではなく、造形としての構成を重要視していることがわかる。
さらに驚愕的なのは内側にも同じような千変万化の模様が表現されていることである。
漆芸の仕事にとって内側にここまで螺鈿、蒔絵を展開し、丁寧に仕上げることは、脅威の技である。
この作品は和文化というコンセプトを超えて、世界に通用する秀作である。

プロフィール

張 煜祺(ちょう ゆうき)

GP6優秀賞

2000~現在 2023年経済学で卒業し日本に来て漆の勉強を始めます
2024年 漆の美展入选 「螺鈿貝輪小箱」
2025年 東日本伝統工芸展入选 「花火」
2025年 漆の美展入选 「肥啾」
2025年 林原美术馆“掌”展入选 「文杏」
2026年 第6回日本和文化グランプリ 入选優秀賞 「千華」

◆受賞コメント
受賞の知らせを聞いたとき、まず浮かんだのは漆を拭うたびに現れる美しい模様と、あの独特の匂いでした。
漆は「待つ」ことを教えてくれる素材です。何度も塗り重ね、乾燥を待ち、また研ぐ。この作品には、失敗の連続だった試行錯誤の日々が詰まっています。
そんな未熟な私の作品に光を当てていただき、関係者の皆様、そして漆の魅力を伝えてくださる全ての方々に感謝いたします。
これからも、「手触りの美学」を大切に、丁寧なものづくりを続けます。

◆受賞者ホームページ・SNS
Instagram: ins(zhangyuqi6593)