| 賞 | 奨励賞/Incentive Award |
| 受賞者 | 漆作家 余丹璐(よ たんろ) |
| 工芸・美術部門/漆 | 乾漆螺鈿蒔絵飾箱「カタクリ」 |
作品情報
乾漆螺鈿蒔絵飾箱「カタクリ」
サイズ… W 150 D 150 H 170(mm)
素材… 和紙、麻布、漆、夜光貝、金・銀粉、つゆ玉
技法… 乾漆、螺鈿、平蒔絵、研出蒔絵、高蒔絵
両手で包み込むことができるサイズとした、作品と鑑賞者との距離感を縮めることを意図しています。作品は伝統的な幾何形である四角錐を基にして、二つの側面に立体的な面を加えることで、観賞視点を多様になり、伝統的な造形に革新と結びつけています。そして装飾モチーフとしたカタクリは、四季に見せる様々な形態を表現した、ゆえに異なる色がある伏彩色技法を用いた螺鈿や、金・銀粉を用いた平蒔絵・高蒔絵などの漆の伝統的な技法を取り入れました。図案と色彩の流動性は、伝統的な箱に生命力を含まれ、伝統と現代の調和を生み出しました。

審査委員の講評
三田村有純(日本藝術院会員 東京藝術大学 名誉教授 江戸蒔絵赤塚派十代継承)
乾漆造形だからできる造形が見事である。蓋となる部分は、天に向かっての山の部分に、厚貝螺鈿と高蒔絵でカタクリの花と葉が構成されている。
平面的ではなくレリーフ上に高く表現された素材の説得力は黒の磨かれた漆黒の肌と対比をなし、遠くから見た時のインパクトが強い。
技術を自分のものとして、自由に自然界の生きているものを描く作者の人間性に好感が持てる優作である。
プロフィール
漆作家 余丹璐(よ たんろ)

中国・寧波市出身。2020年中国美術学院卒業、2025年秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科修士課程修了。
現在、広島市立大学大学院芸術学研究科博士後期課程に在籍。
漆を素材とした乾漆造形を中心に、伝統的な漆芸技法と現代的な造形表現の可能性について研究・制作を行っています。
◆受賞コメント
このたびは、奨励賞をいただき、大変光栄に思っております。
博士課程で研究と制作を続ける中で、このような評価をいただけたことは、今後の創作活動における大きな励みとなりました。
日頃よりご指導くださっている先生方をはじめ、制作を支えてくださった皆様に心より感謝申し上げます。
今回の受賞を励みに、これからも漆という素材と向き合いながら、伝統的な技法を大切にしつつ、自分自身の表現の可能性をさらに追求していきたいと思います。
このたびは誠にありがとうございました。
◆受賞者ホームページ・SNS
Instagram:https://www.instagram.com/joan_normally/



