| 賞 | 優秀賞/Excellent Award |
| 受賞者 | 宮田織物株式会社 代表取締役社長 宮田 浩次(みやた こうじ) |
| 衣部門/染織 | 輪奈織 袋帯 ギリシャ華文 |
作品情報
輪奈織 袋帯 ギリシャ華文(わなおり ふくろおび ぎりしゃかもん)
サイズ… W 4500㎜/ D 310㎜/ H 5㎜
素材… 絹80% レーヨン,ポリエステル(金属糸風)20%
輪奈織の歴史は古く、今から500年余昔の中世ヨーロッパにさかのぼります。
皇帝ナポレオンのマントや絢爛豪華な宮殿の装飾など、王侯貴族を中心に珍重されてまいりました。
本作品はヨーロッパの美しい絵皿文様をモチーフに宝石のような輝きを放つ作品をコンセプトに創作致しました。
従来、輪奈織はパイルのたて糸が1色のところ、本作品は3色にしてそれぞれのたて糸を組み合わせることにより多色の表現を可能にしました。
また、熟練の手技により針金を約4000本一越一越通し織り上げ、後に抜き取ることにより立体感あふれる作品に仕上げました。

審査委員の講評
富川匡子(株式会社emu(エミュ) 代表取締役社長)
生地の表面にループ(輪奈)をなす糸を織り込む輪奈織は、タオルに使われるパイル織と言うと馴染みが深いだろうか。この袋帯は、輪奈による独特の凹凸が立体感を生み、異国情緒溢れる文様と相まって、格調高い雰囲気を醸し出している。
輪奈織は、歴史的にも古くから見られる織物技法であり、西アジアでは4~5世紀頃の上エジプトのコプト人の染織品にこの技法を用いている。中世ヨーロッパでは、司祭や王侯貴族に重用され、やがて南蛮貿易により戦国時代の日本に伝来。織田信長や上杉謙信といった戦国大名がこの織物を愛したことでも知られる。山形米沢市の上杉神社には今も上杉謙信所用と伝わる輪奈織ビロードの「天鵞絨織」マントが保存されている。江戸時代の慶安の頃には、京都西陣で輪奈織(ビロード)の製織が始まった。
昨今は、パイル織のようにポリエチレン製のテグスを用いること多いが、この帯地は伝統的な技法にのっとり、針金を一越一越通し、織り上げられている。さらに、製織後の丁寧なカットが立体感を生む。織られたのは、艶やかな華紋で、現代の振袖姿に合うよう、金属糸風のラメ糸が用いられている。
熟練の技を要する輪奈織。その技術を次世代へ受け継いでもらいたい。
プロフィール
宮田織物株式会社 代表取締役社長 宮田 浩次(みやた こうじ)

◆受賞コメント
この度は、日本和文化グランプリおいて優秀賞を賜わり誠に光栄に存じます。
今から500年余昔に海を渡って伝来した輪奈織は我が国において時代とともに工夫を凝らして織り続けられてまいりました。
この受賞を励みに先人から受け継いできた伝統を大切にしながら革新のエッセンスを加え新たな織の表現に挑戦し研鑽を積んでまいる所存です。
◆受賞者ホームページ
HP:http://kyonishijin-miyataorimono.com/


