グランプリ|中川木工芸比良工房

グランプリ/Grand Prix
受賞者 中川木工芸比良工房 中川周士 鈴木大樹 斎藤皇輝 大原弘也 亘章吾
受賞作品 「Wave」シリーズ  「YORISHIRO」シリーズ

作品情報

「YORISIRO」シリーズ

素材 杉、ニッケルシルバー、真鍮

通常木桶はなるだけ真っ直ぐな木材を用いて製作。曲がりのある部分は無理に真っ直ぐ削ろうとすると割れやゆがみの原因となることがある。そのため今までは取り除き廃材となってが、自然の中で年輪を重ねたその曲がりは非常に美しいもの。その曲がりを曲がったまま表現することで割れや、ゆがみを起こさないように木桶として再構築したのが「YORISIRO」シリーズである。
まるで一木に見えるこのシリーズだが、曲がった木を一度割って中を抜きタガを締めて底を入れるということで木桶として成立させた。

「YORISIRO」と名付けられたこの新しいシリーズは、木桶の箍位置を極端に下の方に配置することにより実現した。通常の木桶はバランスよく配置された2本以上の箍の間に底板が入れてある。しかしこのシリーズはテコの原理を使うことで上方にタガをなくし自由な曲がりを削ることなく形を保持している。下の方にある箍の一つが支点となりなり底板が桶を広げようという力を上方を締める力に反転させた。

YORISIROシリーズは自然の持つ決して人には作り出せないような造形美をそのままに木桶として成立させたところに面白さがある。

中川木工芸比良工房は自然の造形美と人が繊細に削り上げて作られた造形美どちらも大切にしている。

「Wave」シリーズ

素材 高野槇、ニッケルシルバー、

中川木工芸比良では700年以上続く木桶の箍締め技法を用いて作品を制作している。すし桶やおひつ、風呂桶といった伝統的な作品を制作するとともに箍締め技法の新たな発展にも力を注ぎ新しいデザイン、技術を開発した製品を生み出している。

「Wave」と名付けられたこの新しいシリーズは、木桶の箍位置を極端に下の方に配置することにより実現した。通常の木桶はバランスよく配置された2本以上の箍の間に底板が入れてある。しかしこの「Wave」シリーズはテコの原理を使うことで上方にタガをなくし自由な波型を表現できるようになった。下の方にある箍の一つが支点となり底板が桶を広げようという力を上方を締める力に反転させている。

もう一つこのシリーズは丸い桶ではなく底から見ると多角形をしています。基本木桶は丸い形がほとんど。なぜならアーチ構造をその原理としているからである。この原理は「Wave」シリーズの多角形の形でも踏襲している。一見アーチ構造と別物に見える形も隣合う大きさの違う円、その中心点を一つの直線状に配置することにより実現させた。
それがこの「Wave」シリーズの自由な形を作り上げている。
自由に感覚的に作られているように見える作品ですが、緻密な計算と論理に裏打ちされた形になっている。

 

プロフィール

中川周士

京都精華大学芸術学部造形学科(立体造形専攻)を卒業後、父 中川清司(重要無形文化財保持者(人間国宝)2001年認定)に師事。
京都造形芸術大学非常勤講師を経て2003年滋賀県大津市に自身の工房、中川木工芸比良工房を開く。日本国内のみならず海外の展覧会へ精力的に出品、コンクール入賞 多数。

 

中川木工芸

中川木工芸は、初代亀一が老舗の木桶工房に丁稚奉公をしたことから始まる。
40年ほど勤めて独立、1961年、京都白川通りに中川木工芸を開く。
その後二代目、清司が京都工房を引き継ぐ。清司は2001年に国の重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けている。
2003年、三代目周士が滋賀県大津市に中川木工芸比良工房を開く。
現在 中川木工芸は京都と滋賀の二つの工房体制で運営している。

http://www.nakagawa-mokkougei.com/

グランプリ受賞者 コメント

日本和文化グランプリの最初の受賞者に選んで頂いたき大変光栄に感じています。
日本の和文化は古くて新しい精神性を持っており、変化の激しい現代社会で迷った時の道しるべともなりえるものと考えています。

これからも受賞に恥じないように和文化振興の一助になるように頑張ります。
本当にありがとうございます。

◆各受賞者へのインタビュー記事はこちらから
https://byemotion.jp/collections/f00005