賞 | 優秀賞/ Excellent Award |
受賞者 | 樽田裕史 |
受賞作品 | ゆらぎ |
作品情報
ゆらぎ
素材 磁器土
技法 ろくろ、線による蛍手、彫り
蛍手という伝統技法を用いて作品を創作。
蛍手とは中国の明時代に始まり、素地を透し彫りにし透明釉を充填させる技法。
蛍手は一般的に丸い穴の模様が多いが、雲間から射す光に感動し、線による蛍手を用いて「究極の線」を目指した。
磁器土の綺麗な白、青白磁釉の柔らかな青、彫りによる陰影、そして光が透ける蛍手という技法。それら自分が美しいと思うものを掛け合わせる事によって、自然から得たイメージと線の蛍手が調和して、美しい光を創り出す作品を生み出している。
線の光を創り出すために、ろくろ挽きした磁胎を刃物で貫通させたり、彫ることは、ろくろで創り出した形を壊し、素地を脆くする行為でもあり、成型時に割れるなどのリスクが 高くなる。また、デザイン的にも硬さや緊張感が出るように思うが、曲線を取り入れることによって柔らかさを生み出したいと考えた。 出品作品は、1/f ゆらぎにある心地よいゆらぎになるように、光と曲線、青白磁釉の青色により柔らかな雰囲気を出しつつ、線による蛍手と彫りによる緊張感が程よく入り混じった作品となった。
プロフィール
樽田裕史
愛知県立 瀬戸窯業高等学校陶芸専攻科を修了後、波多野正典氏に師事。
精力的に展覧会へ出品し、賞を受賞。
2015年には、ヨーロッパを 10ヶ月かけて周遊し、ドイツとスウェーデンの陶芸を見学。
2017年マレーシアの Aw Pottery Studio にゲストアーティストとして3ヶ月間滞在し、現在は、千年以上の歴史があり多種多様なやきものが生み出される瀬戸市で作陶中。
https://tarutahiroshi.wixsite.com/tarutahiroshi
◆各受賞者へのインタビュー記事はこちらから
https://byemotion.jp/collections/f00005