賞 | 奨励賞/Incentive Award |
受賞者 | 竹⻁(株)山岸竹材店 山岸義浩 |
受賞作品 | 空気清浄機「竹風」 |
作品情報
空気清浄機「竹風」
サイズ…W310 D255 H540(mm)
素材…竹炭(孟宗竹)、孟宗竹、虎斑竹、ウレタン塗装、竹オイル
竹風は高知県須崎市安和地区の限られた地域に生育する虎斑竹(とらふだけ)と土窯づくりの最高級竹炭にこだわって製作した空気清浄機です。虎斑竹の生育地域である「虎竹の里」の竹林で吹いている清々しく心地よい風をお届けします。内部のカートリッジには約2.5kgの最高級竹炭粒が入っており、高い吸着力により有害物質や生活臭を効果的に取り除きます。昔から日本人の暮らしに寄り添ってきた日本の竹は、プラスチック製品の登場などにより忘れられつつありますが、成長が早く持続可能な天然資源として改めて注目され始めています。その竹を活用し、伝統技術によってデザイン性と機能性を兼ね備えた空気清浄機として製作した竹風には、自然環境の保全に配慮しながら、伝統的な竹文化とその技術を未来に残したいという想いが込められています。
審査委員の講評
大倉源次郎(能楽小鼓方大倉流十六世宗家)
日本は四季があるお陰で人は成長しました。それは四季の厳しさ、優しさ、そして豊かさに日々の生活で対応することで様々な知恵を頂いたからです。
松竹梅と縁起の良い植物としては勿論、雪の中でも真っ直ぐに伸びることで素直に育つ念いなどを背景に竹は日本の生活文化の重要な位置を占めて来たと言えます。
今回のグランプリ出品作品の『竹風』の竹の風を届ける装置から色々な事をまた学ばせて頂きました。
現代の都市部では人間が快適さを求める余り空調設備の室外機の暖風は都市部の気温を上昇させて人間中心的な生活を知らず知らずに助長していると考えることができます。
今回の竹風を届ける装置は一見すると人間のエゴの様にも思えるのですが生活空間に『竹風』が訪れることで、そこにいる人々が目には見えない風の尊さと竹の存在に気づくきっかけになるのではないかと考えます。
それは翻って感性を磨く事でもあり、自然素材の温かみを知るヒントを得ることになるのです。
個人的には無機的な四角い箱の装置全体を手編みの竹素材の見た目にも柔らかな風が吹き抜けるデザインの器にしてみたいと思いました。
『竹風』、夢のある装置の存在は、日常生活に於いて吹き出す風以上の目に見えない豊かさを届けてくれることだと教えてくださいました。
今後の発展に期待しております。
プロフィール
山岸義浩
創業明治27年(1894年)の老舗竹屋、竹虎(株)山岸竹材店の四代目、代表取締役社長
◆受賞者ホームページ
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◆受賞コメント
この度第4回日本和文化グランプリにおいて、弊社が出品した「竹風」が奨励賞を受賞できましたことを、心より感謝申し上げます。「竹風」は、竹の持っている自然の力を最大限に活かした空気清浄機です。この製品を通じて、竹の優れた特性を現代の生活に取り入れ、健康で快適な暮らしに貢献できることを目指してまいりました。この受賞を機に、より多くの人々に竹の可能性や魅力を伝え、地域の自然と文化を大切にしながら、皆様の暮らしに貢献できるよう努めてまいります。引き続きご支援とご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。