| 賞 | PDS HOTELS賞/PDS HOTELS Award |
| 受賞者 | 炭化彫刻家 ヒョーゴコーイチ |
| 工芸・美術部門/インテリア | Hibiki |
作品情報
Hibiki
サイズ…大:W110/D60/H130(mm) 中:W80/D60/H110(mm) 小:W50/D30/H80(mm)
素材…炭・檜
創作は炭焼きから始まります。伝統的な炭焼き技法て檜材を炭化。炭窯の熱分解により「炭」へと変化した材を一つひとつ継いで成形をします。その後、何度も磨きあげることによって現れる輝きは光のあたり方で幾重にも表情が変化する作品へと生まれます。目で鑑賞する”視覚”だけではなく、触れることで”触覚”も楽しめる無塗装の作品は他の素材にはない新たなる驚きと気づきを感じていただけることと思います。
オリジナル技法である「炭化彫刻」で人と自然との共存や循環、再生をテーマに炭化技法が国際的な芸術表現として広まるよう創作活動をしています。

審査委員の講評
秋元雄史(東京藝術大学名誉教授 美術評論家)
ヒノキを炭にして、それを成形し、磨き上げて作り出した造形作品、オブジェである。ちょうど部屋の飾りとして置いていくのにうってつけの大きさで、心地よい存在感を放っている。とにかく河原の石を連想させる丸みを持った形態と独特の黒の艶感が魅力的である。これだけでも十分魅力的なのだが、さて、この立体作品はどのようの素材でどんなふうにできているのかと思ったら、なんとヒノキを素材とする炭であったというのだからなおさら驚いた。はじめ見たときには、何でできているのかわからなかった。作品概要によれば、伝統的な炭焼技術によりまずは炭を制作。約二週間の炭焼期間を経過して、ガラス質へと変化した「炭」が誕生するとある。「ガラス質」とあるが、本当にガラスのような硬質感と輝きがあるから不思議だ。表面を見ていてもこれが炭だとはまず思わない。それほど普段見て、我々が認識している炭とは異なった密度の高い炭である。作者によって注意深く選ばれた炭をさらに再構成して塊を作り出し、それを削りだしているのだろうか、河原石のよう緩やかな曲線を持った造形物へと変化させている。なかなか手が混んでいるのだ。概要に添付されている炭焼ごやと窯の中の炭は紛れもなく、私たちが知るものである。このギャップに審査員がやられた。作者本人も「オリジナルの技法である『炭化彫刻』と言っているが、素材の選択といい、造形的なこだわりといい、見たことのない魅力を発する作品である。
プロフィール
炭化彫刻家 ヒョーゴコーイチ

2019年 炭化彫刻家として創作活動をはじめる
主にギャラリーや百貨店にて作品展示
2023年 炭窯のある栃木県に移住
<受賞歴>
MIMARU TOURISM COMPETITION 2019 優秀賞
2020 MONSTER Exhibition2020 最優秀賞
2021 第56回 神奈川県美術展 入選
2022 第57回 神奈川県美術展 入選
2024 IAG AWARDS2024 長野市芸術館特別賞
◆受賞者ホームページ
HP:https://sumiginga.com
Instagram:https://www.instagram.com/k_hyooogo
◆受賞コメント
この度は耀かしい賞をいただき、誠にありがとうございます。今後の創作への励ましと感じ、心より感謝申し上げます。無塗装の「炭ノ美(日本の檜材)」の可能性を追求し技術の向上はもちろんのこと、鑑賞者の心に響く作品を目指して、これからも一層精進して参ります。今後ともご指導よろしくお願いいたします。



