| 賞 | 奨励賞/Incentive Award |
| 受賞者 | 竹工房 喜節 竹工芸職人 細川秀章 |
| 工芸・美術部門/竹・籐・藤 | 網代編ブリーフケース(3wayタイプ) |
作品情報
網代編ブリーフケース(3wayタイプ)
サイズ…大:W36cm×D13cm×H29cm
素材…竹、皮籐、牛革、布生地(綿100%)、金具(鉄・真鍮・アルミ)、和紙、マグネット、ナイロンベルト
竹材が豊富な日本では古来から各地で竹籠が作られ生活の道具として使われてきましたが、京都では竹籠が茶道や華道に取り入れられて文化の道具として発展してきました。
「網代編ブリーフケース(3wayタイプ)」は、そのような文化の中で洗練されてきた京竹工芸の技術と、良質な京都産の竹材を現代の生活に取り入れるために制作したバッグです。
既存の竹籠バッグは「夏に和装の女性が持つ」といったイメージが強く、使用する人や場面が限られていましたが、そのような既成の概念にとらわれず、和装での使用はもちろん「スーツ姿のビジネスマンが仕事でも違和感なく持ち歩けるバッグ」として開発しました。
手持ち・肩掛けに加えて背負いタイプの3way仕様としているため、これまで竹籠バッグが想定されなかった自転車での移動時など、幅広いシーンでご使用いただけます。
トラディショナルな革製のバッグを彷彿させる「古きよきもの」に対する憧れとノスタルジーを感じるデザインを取り入れることで、いつの時代にも流行に左右されることなく、若い世代の方にも求められる工芸品としてのバッグを目指しています。

審査委員の講評
大倉源次郎(能楽小鼓方大倉流十六世宗家)
一つのお気に入りから身だしなみが変わる可能性があります。
この鞄を持ち歩くには何を着れば良いのか?自身の着物にこれほど会うアイテムは無いのではないか?と手に入れたいと思いました。内部も丁寧に仕上げられていて使う人の思いが作る人の思いと合致する。この様な作品が増えると和文化で生活を色取られる方々が増えるのでは無いでしょうか?
プロフィール
竹工房 喜節 竹工芸職人 細川秀章
「竹工房 喜節」代表

竹工芸(編組)一級技能士
京もの認定工芸士(京都府・京竹工芸)
未来の名匠(京都市・京竹工芸)
11年間の会社員生活を経て京都に移り住み伝統工芸の専門学校で2年間竹工芸の技術を学び、卒業後に自身で竹籠作りの仕事を始める。
京都で学んだ竹工芸の技術に独自の工夫を重ねて、国籍、性別、年齢を問わず様々なシーンで持ち歩ける現代の竹籠バッグの追及を続けている。
◆<略歴>
1974年 東京都出身
2005年 京都伝統工芸専門学校(現大学校)竹工芸専攻入学
2007年 同校卒業
「京都伝統工芸専門学校 卒業作品展」近畿経済産業局局長賞受賞
2011年 竹工芸(編組)一級技能士 資格取得
「竹工房 喜節」開設
第51回 京都竹工展 京都市長賞受賞
京都伝統工芸館 ブータン国王夫妻御前にて竹工芸実演披露
2012年 ルーブル美術館 逆さピラミッドアーケード「国際文化遺産展覧会」出品
2013年 京都府 京もの認定工芸士(京竹工芸)認定
2014年 竹工芸公募展in京都 京都市長賞受賞
京ものユースコンペティション グランプリ受賞
2018年 平成30年度全国伝統的工芸品公募展 内閣総理大臣賞受賞
2020年 京都市 未来の名匠(京竹工芸)認定
◆受賞者ホームページ
HP:https://takekobokisetsu.com/
Instagram:@takekobokisetsu
◆受賞コメント
この度は日本和文化グランプリにて奨励賞を賜り光栄に存じます。
竹籠をより多くの方々に現代の生活の中で採り入れてもらいたいとの想いから形にしたバッグにこのような評価をいただいたことを大変嬉しく思います。
関東から京都に移り住み、職人としては年齢を経てから竹工芸の道に進みましたが、栄えある賞に選ばれたことで育んでいただいた京都の地に僅かながら恩返しができたように思います。
今回の受賞を励みに、これからも京竹工芸の継承に努めるとともに竹工芸を通して心豊かな生活に貢献できるよう竹籠作りに精進してまいります。



