| 賞 | 特別賞/Special Award |
| 受賞者 | 安藤七宝店 |
| 工芸・美術部門/七宝 | 桜清流紋 |
作品情報
桜清流紋
サイズ…Diameter 150㎜φ H 250mm
素材…銅 銀 七宝釉薬 レジン
上下リバーシブルタイプの花瓶であり、「桜」と「清流」それぞれ現れる意匠で「伝統」と「未来」を表現
審査委員の講評
三田村有純(東京藝術大学名誉教授 日展理事 江戸蒔絵10代継承)
写真の一時審査の段階から、圧倒的な造形力を放っていた作品である。立体的な七宝作品の胎は鍛造やヘラ絞りで作られるのが普通であるが、本作は電気鋳造技法を大学機関と連携して研究し、立体に昇華させたもので、未来の展開を考えると画期的な造形技法を完成させた秀作である。
本体の上下を変えると桜と清流の模様がそれぞれ浮き彫りに現れるなどの表現は、まさに和文化の体現であり、次世代への文化伝承を踏まえ、今後の作品への応用が楽しみである。
プロフィール
安藤七宝店
1880年創業
七宝製造並びに販売業を営む
明治期から万国博覧会等で数々の受賞実績あり

蛭田直 准教授(神戸芸術工科大学)

◆受賞者ホームページ
HP:https://www.ando-shippo.co.jp/
X:@ANDOcloisonne
Instagram 名古屋本店:@ando__shippo
◆受賞コメント
特別賞に選定いただき感謝しております。今回の作品は素地制作において伝統的な技法と異なる電気鋳造技術を用いております。その上、電気鋳造では困難とされておりました立体物への取り組みを蛭田直 准教授(神戸芸術工科大学)と産学共同で行い、七宝としては複雑な構造の花瓶制作に成功しております。実制作においては次世代を担う社内若手技術者中心で進めた事により、彼らへの技術伝承と合わせ、新たな取り組みに挑戦する良い機会となりました。今回の受賞は業界再興への一里塚ではありますが、「未来」への良い足掛かりができたと感じております。




