| 賞 | 特別賞/Special Award |
| 受賞者 | 木工・漆作家 西端良雄 (協力)銀座一穂堂 |
| 工芸・美術部門/木工 | 小鼓筒 「連鼓」 |
作品情報
小鼓筒 「連鼓」
サイズ…W100mm D100mm H255mm
素材…山桜 楓 漆
小鼓筒を制作するにあたり、
小鼓筒は、形や加飾が素晴らしくても良い音が出なければ意味がなく、
内部構造は特に重要で、コンマ1mm単位の微妙な差でも音色に違いが出ます。
又、木の堅さや重さの違いでも音に影響します。
内部の仕上げ段階では、実際に革を使って小鼓を打って音を確かめながらの作業になります。
より大きく美しい音色の出る小鼓筒を目指しての制作は試行錯誤の連続です。
今回の作品は、古来より適材として使われている山桜材と新たな試みとして
バイオリン等の弦楽器に多く使用されている楓材で制作しました。

審査委員の講評
大倉源次郎(能楽小鼓方大倉流十六世宗家)
木地師としての技巧は最高級。造形への拘りは奏でる音色にも反映しこれからの鼓胴作者の指標になるであろう今回の出品は伝統的な技法の楽器製造のハードルを上げた。
形だけの模倣ではなくその音色への拘りが未来の伝統芸能に光を与える作品。
プロフィール
木工・漆作家 西端良雄 (協力)銀座一穂堂
1958 石川県輪島市に生まれる。
1976 小崎清人師に師事
1980 日本伝統工芸展 初入選
1986 独立し工房を設立
1993 大阪 上方銀花で初個展
2014 東京 銀座一穂堂にて小鼓展「小鼓筒を復元」
2023 NHK 美の壺「和楽器」に小鼓筒制作で出演
2025 大阪関西万博出展 輪島塗大型地球儀「夜の地球 Earth at Night」制作に
輪島塗技術保存会 木地部門で参加
現在 輪島塗技術保存会 副会長
(公社)日本工芸会 正会員
分業ではなく、木地から仕上げまで一貫した椀を作る。
◆受賞者ホームページ
HP:https://ginza.ippodogallery.com/collections/%E8%A5%BF%E7%AB%AF%E8%89%AF%E9%9B%84
Instagram:https://www.instagram.com/ippodogallerytokyo/
◆受賞コメント
この度は、和文化グランプリ特別賞をいただき誠に感謝申し上げます。
小鼓筒を作るにあたり、最初の頃は良い音が鳴らずわからない事ばかりでしたが、多くの方々のご指導等をいただき試行錯誤の上ようやく完成出来た作品です。
古作の名器の音色には、まだまだ及びませんが今回の受賞を励みにこれからも研究、制作を続けてまいります。
引き続き、皆様のご指導等をよろしくおねがいいたします。
誠に有難うございました。

