賞 | 準グランプリ/Semi-grand Prix |
受賞者 | 佐々木岳人 |
受賞作品 | Ether |
作品情報
作品名 : Ether
制作者 : 佐々木岳人
制作年 : 2021年
サイズ : W31×D16×H16cm
技 法 : 乾漆 変わり塗り 蒔絵 螺鈿
素 材 : 漆 麻布 和紙 金 貝 顔料
価 格 : 1,200,000円(税抜価格)桐箱を含む(売約後に用意)
一見するとファスナー付きの革製品ですが、実際はすべて伝統的な漆芸技法でつくられたものです。
麻布を漆で貼り重ねた乾漆技法によって造形し、金具は蒔絵、革の表情は変わり塗りによって質感を再現しています。
当然、ファスナーを開けることはできませんが、シンプルな箱となっています。蓋を開けると黒漆に螺鈿装飾が施されており、この作品が漆でつくられたものであると気がつきます。
作品のテーマは「思い込みの可視化」です。ファスナーや革製品は現代人であれば誰もが見慣れたものであり、「中身を覆い隠す表層」とも言えます。
見慣れているからこそ、この作品が漆でつくられた箱であることに気づけませんが、ファスナーのつまみ部分に答えは隠されています。
刻印されている文字は作品名でもある「Ether(エーテル)」です。物理学におけるエーテルは光の媒体として宇宙空間に存在すると長年にわたり信じられていた物質です。相対性理論の登場により結果的には廃れた説となってしまいましたが、その目に見えない存在は現在でも完全に否定されていません。
つまり、このファスナーは「開く」と思い込んでいるものが実際には存在しない可能性、または視点を変える必要性を示しています。
蓋を開けた内部の螺鈿装飾は開いたファスナーの模様のようでもあり、宇宙空間に漂うエーテルのイメージでもあります。
それは箱を開けた人が思い込みから解放されたことを意味しています。
プロフィール
略歴
1983年 秋田県生まれ
2011年 東京藝術大学大学院美術研究科 工芸専攻漆芸 修了
修了制作 大学美術館買い上げ賞 受賞
東京藝術大学美術学部工芸科 勤務(工芸基礎研究室 助手)
2014年 東京藝術大学大学院美術研究科 勤務(美術教育研究室 木工室 非常勤講師)
2019年 東京藝術大学美術学部工芸科 勤務(漆芸研究室 非常勤講師)
現在 東京藝術大学美術学部工芸科 漆芸研究室 テクニカルインストラクター
日本文化財漆協会 会員
2017年 佐々木岳人 漆芸展 〜Déjà vu〜/日本橋三越本店
2019年 佐々木岳人 漆芸展 -暁に光る-/日本橋髙島屋
グループ展
2012年 Asian Artin London 2012(2013、2014)/英国
他、国内外の展覧会多数
1983年 秋田県生まれ
2011年 東京藝術大学大学院美術研究科 工芸専攻漆芸 修了
修了制作 大学美術館買い上げ賞 受賞
東京藝術大学美術学部工芸科 勤務(工芸基礎研究室 助手)
2014年 東京藝術大学大学院美術研究科 勤務(美術教育研究室 木工室 非常勤講師)
2019年 東京藝術大学美術学部工芸科 勤務(漆芸研究室 非常勤講師)
現在 東京藝術大学美術学部工芸科 漆芸研究室 テクニカルインストラクター
日本文化財漆協会 会員
主な展覧会歴
個展2017年 佐々木岳人 漆芸展 〜Déjà vu〜/日本橋三越本店
2019年 佐々木岳人 漆芸展 -暁に光る-/日本橋髙島屋
グループ展
2012年 Asian Artin London 2012(2013、2014)/英国
他、国内外の展覧会多数